STORY

あらすじ

大阪天王寺駅から谷町筋沿いを北へ五分
雑居ビルに囲まれた三階建ての建物の屋上
夜の七時をちょいと過ぎた
夕日が沈んで
まるでウソモンのデッカイお月さんが
笑っている。
空気銃から放たれた一発のオモチャの銃弾が
ハナクソのようなヤケクソで人生を放棄した冴えない男に直撃する。
人の言うことを聞かず、人の言うことを聞けず、何も救えないオープンなヤケクソの7人の男たち。
やるせない高度成長期の終幕は
バブル期を揺るがす歴史的事件へと加速する。

実在の事件から実在の事件へ。
その裏では何を抱いた男たちのドラマが暴れまわったのか。
大竹野正典が残した数々の名作の一編を
新旧メンバーを織り交ぜて再上演!


初演上演記録

この作品は、くじら企画にて2000年に初演された作品です。

くじら企画 第5回公演「屋上のペーパームーン」

本日はご来場いただきまして誠に有難うございます。

茶臼山舞台様のご好意に拠りまして、「くじら企画」初の屋上舞台が実現しました。

この季節に暑苦しい男7人が、暑苦しい芝居をします。皆々様方にはアンケートの下敷きをウチワ代わりに頑張って観て頂きたいと切に願っております。その点、なにとぞご容赦の程を ――

さて、今回の事件でありますが、昔、大阪は梅田で起きました「ニセ夜間金庫事」であります。未だに犯人は捕まっておりません。それゆえに、私どもとしましては自由に犯人像を捏造させていただいております。丸っきりのフィクションと申しましても過言ではありません。

が、しかし、その犯人像に、私たちはある種の祈りを託しています。現代のラ・マンチャの男とその身勝手な仲間たちに未来はあるや否や。

すみにくい疑惑の世の中ではありますが、今宵一夜のピカレスクロマンに時間を割いてくださったあなたに感謝しつつ ―― 終演後のビールが最高でありますように。
大竹野正典 -上演時パンフレットより-

日時/2000年7月20日(木)~23日(日)開場 PM7:00 開演 PM7:30
開場/茶臼山舞台(屋上公演)
作・演出/大竹野正典
出演/不屈のリーダー カッパ秋月 雁
共同プランナー、ただし無能 フトマキ戎屋海老
心優しき鉄筋屋・・か? イナリ武川康治
やけくその失業者 グリコ九谷保元
気配りのコーディネーター アガリ栗山 勲
非情のイカサマ師 スケロク風太郎
熱血ライフル狂借金あり バッテラモリタフトシ
音響/大西博樹
照明/後藤小寿枝
舞台監督/谷本誠
制作/後藤小寿枝
宣美/髙岡孝充
写真/天野雅弘


「ニセ夜間金庫事件」とは…

1973年2月25日、大阪市北区梅田の三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)阪急梅田北支店の夜間金庫に客が現金を投入したところ、金庫の表面が膨れあがり、不審に思った客が警備員に連絡。駆けつけた警備員と銀行職員が調べ、すぐにニセの夜間金庫と判明。近くにある本物の夜間金庫には、

御利用の御客様へ
鍵の折損事故に因り投入口開閉不能となりましたので、
誠に御足労ですが当銀行専用通用口の仮金庫迄御廻り下さい。

との、ニセの夜間金庫に客を誘導するために故障の張り紙がされていた。
ニセの夜間金庫はベニヤ板製で、客の投入した現金(2,576万円)でいっぱいになり割れてしまっていたが、外観はステンレスで装飾するなど一見ニセモノだとは判らない造りになっていた。 ニセの金庫の材料入手先などから犯人検挙へ向け捜査されたが、1980年に時効が成立した。
Wikipedia 大阪ニセ夜間金庫事件